鵜戸の古狛犬 神武天皇御降誕伝説地碑
今回は、
鵜戸神宮でも、見過ごちがちな、ある意味マニアックな所を紹介します。
鵜戸の古狛犬
鵜戸神宮の楼門の先、左手にある稲荷神社への門をくぐると、文政8年(1928年)に土砂崩れにより海中に没していたものを引き上げ修復した「鵜戸の古狛犬」があります。
狛犬といえば阿・吽(あうん)、この狛犬は口を閉じておりますので「吽形」でしょうか・・。「阿形」は見つからなかったのでしょうかね・・・未確認です。
神武天皇御降誕伝説地碑
同じ場所に、「神武天皇御降誕伝説地」と書かれた石碑がります。
碑には以下のように書かれておりました。
神武天皇御降誕伝説地
??草葺不合尊西洲の宮跡地
この地は、??草葺不合尊皇居の御跡にして
神武天皇御降誕ましませし所と伝ふ又
付近 吹毛井には御産湯の御跡と伝ふる所あり
この石碑は、昭和15年の皇紀二千六百年祭の際、宮崎県により顕彰、建立されたものと思われます。
県内の各伝承地などでみかけます。
種田山頭火 歌碑
漂泊の俳人山頭火は、昭和5年10月2日、鵜戸神宮に参拝。御神鳥の「鵜」をとりあげ、次の句を残しました。
「鵜しきりに啼いて何を知らせる」
鵜戸の大自然と「鵜の鳥」が、今の世の中に何か警鐘をならしていると考えたのでしょうか。/ 寺原聖山 書
今でも、鵜戸あたりの海では「海鵜」をたまに見かけますが、当時はたくさんいたのでしょうね・・。
この句碑は、手水舎の近く、参道沿いにあります。ここ数年の間に出来たものではなかったかと思います。
神話 鵜戸に伝わる伝承などのおさらい・・
綿津見神の宮(海神国)で火遠理命(ほおりのみこと)=山幸彦と結婚し、身ごもった豊玉毘売(トヨヤマビメ)は、天孫の御子を海原で生むことは出来ないと考え、夫の元にやってきました。
山幸彦は豊玉毘売(トヨタマビメ)のために産屋をつくり、屋根を鵜の羽で葺きますが、産屋が出来上がらない内に豊玉毘売(トヨタマビメ)は産気づきます。「異郷(海神国)の者である私は、本国の姿に返ってお産をします。お産を終えるまで、産屋をのぞかないでください。」と告げ、産屋にこもります。
しかし、山幸彦は誘惑に勝てず、のぞいてしまいました。
そこにはワニの姿になった姫の姿。姿を見られ、悲しみ恥じた豊玉毘売(トヨタマビメ)は御子を残し海神国へと帰ります。
この際、お子への愛情と健やかな成長を願い、ご自身の両乳房を鵜戸の洞窟内にくっつけていかれたといわれています。
鵜の羽で屋根を葺き終わらないうちにお産まれになったお子は、??草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)と名づけられました。
豊玉毘売(トヨタマビメ)は、残してきたわが子が気になり、海神国より妹の玉依毘売(タマヨリビメ)を乳母として代わりに送ります。
後に??草葺不合尊の妻となる玉依毘売は、岩屋の中に残された豊玉毘売の乳房からしたたる乳水で、??草葺不合尊を育て上げたと云われています。
余談ですが・・
高千穂町の高千穂神社境内の裏手の九州自然歩道沿いには、種田山頭火のあの有名な、「
分け入っても分け入っても青い山」の歌碑があります。この句は、馬見原から高千穂へゆく途中の作であろうといわれております。
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鵜戸神宮パノラマ写真 平成27年 夏
鵜戸神宮のページでも紹介しておりますが、先日撮影したパノラマ写真です。
※拡大画像が大きいので、スマホでご覧の方は拡大しない方が良いかも(^^;)
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鵜戸の古狛犬 神武天皇御降誕伝説地碑|鵜戸神宮(宮崎県日南市)
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