登山禁止(入山禁止)の霧島・高千穂峰で一時遭難、救助2012年04月29日2012年4月29日、NHKTVニュース(宮崎県ローカル)、西日本新聞によると4月28日、新燃岳噴火の影響で登山禁止(入山禁止)となっている、霧島連山の高千穂峰(1574m)に高原町側から登った男女2人から下山できなくなったと通報があり、29日朝、捜索を行っていた県の防災ヘリコプターによって発見・救助された との事。 二人にけが等は無く、無事だったようです。 救助されたのは、宮崎市消防局の男性消防士、Aさん(19)と、宮崎市の女性会社員のBさん(20)の2人。(NHKテレビニュースでは、ヘリコプターで救助する際の映像なども放映されておりました。) 2人は4月28日午前11時半ごろより、高千穂峰への登山口の一つである、高原町の皇子原公園の登山口から高千穂峰に登ったようですが、午後7時半ごろになって「道に迷って下山できなくなった」と、女性が携帯電話で119番通報したようです。その後、携帯電話は電池が切れ連絡できなくなったようです。 夜、捜索を行ったが見つけられず、翌29日朝から宮崎県の防災救急ヘリコプターが出るとともに、警察など40人の態勢で捜索を開始。午前6時20分頃、上空ヘリから、山頂から2Km付近にいる2人を発見、無事救助したというもの。 無事で何よりです。 主な霧島の山(韓国岳、大浪池、獅子戸岳、新燃岳、中岳、大幡山、大幡池、夷守岳、高千穂峰)は新燃岳が噴火活動中(レベル3)であり、噴石等の恐れや、登山道への降灰などで、登山は危険な状態にあることを考慮し、2011年1月の新燃岳のマグマ噴火以来、入山が禁止されています。 登山道が崩れていても未改修でしょうし、手がかりマーキングのテープなども外れたり、火山灰に埋もれたり、風化したり、で(基本的には)人も入っておりませんから、人が歩いた形跡も無く、見分けが付かなくなった部分も多々あろうかと思われます。 NHKニュースによると 宮崎市消防局によると、救助されたあと、宮崎市消防局のAさんは上司に「入山規制は知らなかった」 と述べたということ。 また、 消防局の阪本満男総務課長は、「住民の安心安全を守る立場の消防署員が、救助要請という事態を招いたことは非常に残念だ。『知らない』で済む問題ではなく、現場で捜索にあたった方々には上司などが申し訳ないと謝罪した。今回の件は厳しく対処したい」と話しています。 と・・コメントされているようですが、目下、宮崎県にとって霧島山(新燃岳)の噴火などに対する防災は、大きな課題の一つでもありますので、本人のみならず、上司の監督責任・組織内の教育体制なども世間から問われる事でしょう。 軽犯罪法違反の疑いも県警小林署は2人に軽犯罪法違反の疑いもあるとみて調べるとの事。(2011年、高千穂河原(鹿児島県)から、規制を承知の上、高千穂峰に登った男性に対し、鹿児島県警霧島署は、「規制を知った上での行為は悪質」と判断、軽犯罪法を適用して立件に踏み切っている。 過去に書いた記事) 通常でも高千穂峰山頂まで、3時間半のコース、午後5時頃から下山では・・・高千穂峰へ、高原町の皇子原公園側から登ると、登りだけで約3時間半かかるコースです。新燃岳の規制前でも、休憩、余裕を考えると、11時半頃から入山は遅い気がします。 途中で引き返えせば・・ (判断・決断ミス)- 4月30日付 宮崎日日新聞によると、午後5時頃、高千穂峰山頂から下山を始めたとも書かれておりました。下山途中で暗くなってしまったようで、道に迷うのは当然です。 高千穂峰の東側、山陰、下部は森の中の登山道。日の長い時期でも、皇子原に午後5時に下山しても遅いくらいです。(午後3時下山が基本)。 登る時より下る時の方が迷いやすいのも事実、下山時間を考え、途中で登頂をあきらめ、引き返えしてれば、明るいうちに迷わず下山で出来ていたのかも知れません。 新燃岳以外の入山規制告知は行き届いているのでしょうか・・看板、ゲート規制、Webサイトなど 再確認が必要では?高千穂峰の「入山規制を知らなかった」・・というのも気になります。 新燃岳が規制されている事は当然認識していたようですが、高千穂峰までは及んでいないと思っていたようです。 良く耳にする「レベル3・新燃岳の規制半径3Km規制」、新燃岳噴火のハザードマップなどを見ても、新燃岳火口から半径3kmの内に高千穂峰の一部はかかりますが、高千穂峰の主峰はおよそ5Km離れておりますので、高原町側から登れば、問題ないと解釈する方もいらっしゃるでしょう。実際、登れると思って行ったら登れなかったという話題をネットで目にします。 登山道・駐車場・通じる周辺進入道路には、規制を知らない方がいらしても、わかる様、入山規制である旨の告知看板、規制ロープなどのバリケードなど設置してあろうかと思われますが、(毎日新聞によると、立ち入り禁止」の看板と柵も設置されているとの事)、具体的に入山規制対象の山の名称は書かれているのでしょうか・・。目立たなかったり、紛らわしかったり、抜け(他からのアクセス)は無いか、現地の再確認・対策(必要であれば)が必要かも知れません。 右の写真はイメージです。 (鹿児島県・新湯温泉のところの規制写真) 各市町のWebサイト内関連ページなどでも告知が必要かも・・宮崎県や、霧島連山を含む県市町・観光関連のWebサイトを見ても、(宮崎県の関連ページなど)高千穂峰などの入山規制の事が書かれていないような気がします。(私が見つけきれないだけかも知れませんが・・・)。案内不足ではないでしょうか? (追記:皇子原公園事務所にも規制を知らずに訪れる登山愛好者も少なくないとか 5/13 宮崎日日新聞記事) 少なくとも霧島市サイトのように、宮崎県、えびの市、小林市、都城市、高原町など、関連市町のサイト・関連ページで、目に付くよう、現在入山規制している山を明記すべきではないでしょうか。 たとえば 今回の高千穂峰に関してだと、高千穂峰 皇子原 登山道≠たりの検索ワードで情報収集をしようとすると、検索一覧に出て来る、高原町サイト内の以下のようなページが出てきますが、ここに、現在、新燃岳の火山活動の影響で入山規制中である旨の表記をすべきかと思います。 http://www.town.takaharu.lg.jp/modules/contents03/index.php?content_id=5 県なのか、市・町なのか分りませんが、直感的にわかるような、霧島市のような具体的な地図を作成の上、掲示するのも良いかも知れません。 このあたりは霧島市を見習う必要ありそうです。 あとがき・・・ 今回の件で、ニュース記事、県市町サイトなどを見て感じた事 (あくまで今現在、知りえた情報から記載) 事前情報収集を含め、登山計画の甘さ。 経過時刻に対して登頂を断念するなど状況判断の甘さ。(二名) 新燃岳以外の霧島連山の入山規制に関する県・市町村の告知(周知)不足。 (県・市町) いつも思う事ですが、こういったニュースは、事実を伝えるのみで、以降の教訓となるような、どうしてそうなったのか・・という、踏み込んだ本質の要因分析みたいな報道がありません。 同じ事を繰り返さない為にも、そのあたりも是非取材して頂きたいです。 お二人、特にAさんは、この苦い経験を糧に、いっそう精進、職責を全うしていただきたいです。 最後に・・ 以前、えびの高原であわや遭難の時にも書きましたが、山に入る前に、携帯電話は十分充電しておきましょう。電波状態が悪い山では、基地局との通信が頻繁に行われますので、通常より電池は激しく(数倍?)消耗します。 同じようなことが また繰り返えされない為にも、あえてこのページを作成しました。 情報 参照元記事 (すべて地域面) NHKニュース 入山規制の山で2人を救助 西日本新聞 高千穂峰で2人一時遭難 宮崎日日新聞 高千穂峰遭難 男女救助 「登山規制知らず」 毎日新聞 救助:規制破り登山の消防士を−−高千穂峰 読売新聞 入山禁止の高千穂峰、男女が道に迷い救助 〔追記〕 5月13日付、宮崎日日新聞 社会面 (タイトル 新燃岳周辺入山だめ・看板無視、遭難相次ぐ 関係者「規制厳守を」)によると、高原町は、男女の遭難を受けて新たに大型看板を設置、地元住民には入山者を目撃した際の町への連絡を要請との事。 遭難すれば、救助に向かう多くの方を危険にさらす事を知っての入山は自己責任では済みません。 2011年11月には、規制を知った上で高千穂峰へ登った男性が軽犯罪法違反で書類送検された例もあります、規制中の山には絶対入らないようお願いいたします。 早く 解除になりませんかね・・・。 霧島の遭難事故など関連ページ
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