榎原神社(よわらじんじゃ) 日南市南郷町榎原鎮座
Shinto shrine
宮崎県の有形文化財にも指定されている「楼門」「鐘楼」「榎原神社御本殿」など見応え十分。

【更新履歴等】2024年6月15日、リニューアル、写真を6/11撮影したものへ差し替えた。
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榎原神社 御由緒
御祭神
天忍穂耳命 ・
彦火瓊瓊杵命 ・
彦火火出見命 ・
鵜葺草葺不合命 ・
神日本磐余彦命
配祀
天御中主尊 ・
国常立命 ・
国狭槌命 ・
大己貴命 ・
下照毘売命 ・
伊弉諾命 ・
伊弉冉命 ・
奥津彦命 ・
奥津毘売命 ・
経津主命 ・
菊理毘売命 ・
健御名方命
御神徳
縁結び・安産祈願・学業成就・家内安全
概要
榎原(よわら)神社は、当時神女として崇められていた内田萬寿姫の進言により伊東家第3代飫肥藩主伊東祐久公が、万治元年(1658年)に鵜戸神宮より勧請された神社です。
明治元年(1868)神仏分離令が出されるまでは 真言宗 地福寺が境内にあったようで「榎原大権現」と称されておりましたが、榎原神社と改称。明治6年(1873)郷社に列せられ、昭和5年(1930)県社に列格されました。
県内唯一の貴重な「八ツ棟造り」の屋根を備え持つ御本殿をはじめ、神仏習合の名残が色濃く残る県指定有形文化財がいくつも存在する荘厳な神社です。
榎原神社の歴史
- 〔1658年〕榎原神社 創建
当時神女として崇められていた内田萬寿姫の進言により、伊東家第3代飫肥藩主伊東祐久公が、万治元年(1658年)、鵜戸神宮より勧請されたものです。 内田萬寿姫は摂社桜井神社の御祭神です。
- 〔1670年〕霊社 建立
萬寿姫廟-墓所
- 〔1674年〕摂社 桜井神社 創建
御祭神・・・ 内田萬寿姫(縁結び神)
1670年3月16日51才にて遷化
奉斎・・・1674年
社殿建立・・・1798年
- 〔1707年〕御本殿 建立
御祭神・・・ 天照大神・天忍穂耳尊・彦火瓊瓊杵尊・彦火々出見尊・鵜葺草葺不合命・ 神日本磐余彦尊
県指定有形文化財第2号(昭和58年1月21日)
- 〔1808年〕末社 天満神社 建立
御祭神・・・菅原道真公(学問神)
- 〔1816年〕楼門 建立
県指定有形文化財指定(平成14年3月28日)
建立・・・伊東家第13代飫肥藩主伊東祐相公時代
- 〔1842年〕鐘楼 建立
県指定有形文化財第1号(昭和54年5月11日)
建立・・・伊東家第13代飫肥藩主伊東祐相公時代
- 〔不詳〕末社 住吉神社 建立
御祭神 表筒男命・中筒男命・底筒男命 海上安全・大漁満足(漁業神)
- 〔不詳〕境外社 稲荷神社 創建
御祭神 倉稲御魂命(五穀豊穣、商売繁盛神)
榎原神社 交通アクセス・地図等の情報
鎮座地:
住所:〒889-3215 日南市南郷町榎原甲1134番地4
地図:
GoogleMap
緯度経度:31度32分5.03秒 131度18分19.06秒(日本測地系)
駐車場:楼門前の右側より駐車場への進入路あり
車:東九州道 日南東郷ICより 17K 約25分
JR:JR榎原駅から徒歩10分
榎原神社 楼門(県指定有形文化財)
榎原神社楼門は、境内と門前町を結ぶ位置に建立されている。
建立時期については文化13年(1816)銘の棟札があり、また天保年間(1830〜1842年)再興の棟札も備わるなど県下で類例のない古い楼門である。
構造は、楼門づくりという木造二階建で、高さ約11m、横幅約7m、奥行約4mで、一階の上に高欄の回廊を巡らせている。正面が三間からなり、中央が参詣者用の通用門(一戸)、両側二間にそれぞれ仁王像を、その上に随神像を安置して、八本の柱脚で建っていることから三間一戸八脚門という。
楼門の特徴としては、柱上にだけ二手先出組を置き、二階の軒に隅木を配して垂木を並べ、その本数で柱間を決める和様式と、礎石と柱の間に礎盤を置き、柱上に台輪を置いてその上に組み物を置くことや、垂木を扇形に配するなどの禅宗様式と、流派的な折衷様式が用いられていることである。
このような建築様式は、古く神仏習合を物語る歴史上の貴重な文化財として、極めて価値の高いものである。さらに地場産の飫肥杉を柱等の材料とし、礎石や礎盤に榎原石と呼ばれる凝灰岩を加工して造る等、地方的特色が顕著であることからも、県下に類例のない古楼門である。
仁王像 阿形
正面両脇に 阿・吽の「仁王像」を配、その上部棚に随神像を安置している。
仁王像 吽形
仁王像(吽形)上部棚には「随神像」を安置
榎原神社 鐘楼(県指定有形文化財)
榎原神社は江戸時代初期万治元年(1658年)第三代飫肥藩主伊藤祐久公が、鵜戸神宮の神霊を勧請し藩内の鎮守として創建したもので、榎原山大権現と称され、歴代藩主の崇敬も厚く社殿神領の寄進を受けていた。当社は、神殿を中心に鐘楼・楼門などが残されているが、鐘楼は造形的にもこの神社の建造物の中では最も勝れており、県内でも数少ない貴重な遺構である。
鐘楼は高さ11.41mで、細部(組物・蟇股・木鼻)の造りも入念な仕上げがされており、上蔀の鐘楼部の躍動感と、下部の黒板張りの袴腰の安定感とが好対照をみせている。
榎原神社御本殿(県指定有形文化財)
本社は、当時神女として崇められていた内田万寿姫の進言によって、飫肥三代藩主伊藤祐久公が万治元年(1658年)十二月二十三日、鵜戸神宮より勧請されたものである。(摂社桜井神社は内田万寿姫を祀る)
現在の社殿は、宝永四年(1707年)に建てられ、当初は八幡造りであったものが寛政十年(1798年)当時流行していた権現造りに改造されたものと思われる。拝殿を入母屋屋根とし正面に千鳥破風、その前面の向拝に、唐破風を設けた。拝殿・相の間・神殿をつなぐ平面は八幡造りのままであるが、正面の姿は権現造りである。しかし従来から関係者は、屋根の複雑さから、八ツ棟造りと呼びならわしている。県下には、唯一の貴重な有形文化財である。
本殿横にある「宝物資料館」には、神社に伝わる古文、冠等が約90点展示・保管。入場料は無料。
榎原神社の摂社「桜井神社」
楼門の正面に鎮座するのは、「榎原神社」の創建を進言した「内田万寿姫」を祀る「桜井神社」です。
延宝2年(1658)に奉斎され、寛政10年(1798)に社殿を建立。縁結びの神として広く崇敬されています。
神女内田万寿女伝承
"歴史上の巫術師の実態を知るうえで貴重な資料となるのが内田万寿姫の例であろう。南郷町榎原(よわら)にはこの地区にある榎原神社の創建にまつわる内田万寿姫(ますひめ)という女性が現在ではほぼ伝説化して伝えられている。
この女性、内田万寿姫子は鵜戸神社参拝のおり、神の啓示を受け、シャマンとして一般庶民から飫肥藩主まで信望を受け、神女として慕われた。"
➡ 榎原神社の萬壽姫 / note(K.WATANABE)
他では殆んど見かけない「伊勢海老」の彫り物が印象的。
名木「夫婦楠」
桜井神社の裏手に樹齢約600年の 名木「夫婦楠」があります。左の男楠は 幹廻り8m・樹高40m、右の女楠は 幹廻り7.5m、樹高38mの巨樹です。
付近の遊歩道には、紅葉が植栽されており、緑がとても綺麗、紅葉の頃に再訪したくなりました。
いずれ見学したい・・個人的に興味のあるもの・・
榎原神社の「作祈祷神楽」
氏子崇敬者の無病息災を願い、豊作や豊猟(漁)を祈願し、令和6年度の「作祈祷神楽」が5月12日(日)に社務所において奉納されたようです。
〔1〕式三番 〔2〕神武 〔3〕田植舞 〔4〕矢抜 〔5〕剣 〔6〕鈿女 〔7〕霧島 〔8〕思兼 〔9〕注連 〔10〕杵 〔11〕チョク舞 〔12〕龍蔵 〔13〕鵜戸 〔14〕手力(戸閉) 〔15〕手力(戸開)
公式サイトの年間行事予定にも記載されておりますが、本来4月中旬の日曜日に奉納されていたと思います。5月に変更になったのでしょうかね?
以前は、境内に舞場を設え奉納されていたと思うのですが・・天候の影響でしょうか?
以下は、「
宮崎の神楽と特殊神事 宮崎県神社庁」より一部引用したものです。
榎原神社の創建は、万治元年(1658)飫肥三代藩主伊東祐久公が、鵜戸神宮のご分霊を勧請、地福寺の境内を社地として創建したと伝えられています。
『榎原山大権現鎮座縁起』の中に神楽に関する記事として、「寛永18年(1641)12月8日山王正祝子森山伊豆の花屋に於て神楽を極める」とあり、創建当時から神楽が奉納されていたことが窺えます。
昭和40年代以降、後継者等の関係で途絶えました。
しかし、昭和57年に、地元の若者が神楽継承に立ち上がり、以後毎年、作神楽として五穀豊穣をはじめ諸祈願のために奉納されています。
県南作神楽の代表的な田植舞や杵(嫁女)、滑稽なしぐさで子孫繁栄を説くチョク、また南郷系の神楽の特徴である岩戸開きを表す龍蔵や鵜戸、霧島、神武があります。
保存会名:橿原神社神楽保存会
神楽面の保存:有(14面)代表的な面 幣抜面、矢抜面、思兼面、龍蔵面、幼女面、鵜戸面
(個人的には・・独特の風貌の「矢抜面」を実際に見てみたい。)
ヒマラヤ桜
楼門の前に、寒緋桜に似た花が咲く「ヒマラヤ桜」が植栽されていて、1月の終わり頃に咲きはじめ、2月に見頃を迎えます。
当サイト内検索(画像も)出来ます。
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