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Date: 2013-02-26
更新: 2013-05-13





 本の紹介 宮崎県 謎解き散歩 永井哲雄編著


先日、「新人物文庫」より、「宮崎謎解き散歩/永井哲雄編著」(定価900円(税込))が発売されましたので早速購入しました。
現在、宮崎県内の主要書店では販売していると思いますが、amazon通販(価格900円・通常送料無料)でも購入できます。
宮崎謎解き散歩/永井哲雄編著
内容(「BOOK」データベースより)
「日本神話発祥」、伊東四十八城、エコパークから、原(ハル)、石井十次、『後狩詞記』、冷汁、神楽まで。南国「日向」は神話のふるさと。大らかで明るく、優しい「宮崎学」。

文庫: 271ページ  出版社: 新人物往来社  発売日: 2013/2/7


本 裏表紙のキャッチ 引用

神話が息づき、時がゆるやかに流れる日向路の魅力
 宮崎県といえば、「フェニックス」(ヤシの木)の並木に代表される南国情緒にあふれ、かつては新婚旅行先としても憧れの地でした。現在は牧畜や野菜、果実栽培が盛んな日本有数の農業県となっています。
 古来、太陽や月、海や空、山川草木にいたるまで神々が宿るとして畏敬の念をいだいてきた日向の人々。そうした想いにより、国生み神話や伝承地を今に伝え、県下約350カ所では神楽が演じられています。
 時がゆるやかに流れ、自然や人との関わりを大切にする宮崎県の魅力は尽きません。知れば知るほど楽しくなる神話のふるさと″を体感する旅に出かけよう!


一読した感想

内容は、多分野に及び、何れも宮崎県民なら知っておきたい内容。
宮崎県商工会が毎年検定を行っている、宮崎観光文化検定の公式テキストの副本的にも使えるような気もします。
尚、編著は、永井哲雄氏、以下の専門分野の多くの方の書き下ろしの集大成でもあります。

[編著]
永井哲雄(ながい・てつお)1934年、宮崎県生まれ。宮崎県文書センター主席運嘱託員

[著]
伊藤一彦(いとう・かずひこ)1943年、宮崎県生まれ。若山牧水記念文学館館長
伊東 但(いとう・ただし)1960年、宮崎県生まれ。宮崎市清武給合支所企画総務課副主幹
押川周弘(おしかわ・かねひろ)1941年、宮崎県生まれ。宮崎県民俗学会会員
岡本武憲(おかもと・たけのり)1957年、兵庫県生まれ。日南市教育委貞会文化生涯学習課長
河野耕三(かわの・こうぞう)1948年、宮崎県生まれ。綾町照葉樹林文化推進専門監
河野 誠(かわの・まこと)1958年、宮崎県生まれ。社団法人宮崎県物産貿易振興センター事務局次長
河野悠子(かわの・ゆうこ)1978年、宮崎県生まれ。宮崎県文書センター運営嘱託員
九鬼 勉(くき・つとむ)1951年、宮崎県生まれ。城山ガイド・ボランティアの会会長
黒岩正文(くろいわ・まさふみ)1944年、宮崎県生まれ。宮崎県文書センター運営嘱託員
児嶋草次郎(こじま・そうじろう)1949年、宮崎県生まれ。石井記念友愛社理事長
佐藤郁夫(さとう・いくお)1940年、熊本県生まれ。元宮崎県立高校教諭
清水正恵(しみず・まさえ)1954年、山口県生まれ。宮崎県文書センター運営嘱託員
高野明広(たかの・あきひろ)1955年、宮崎県生まれ。元宮崎県立美術館学芸課長、宮崎市立生日中学校校長
竹下 勇(たけした・いさむ)1936年、福岡県生まれ。元宮崎県立高等学校教諭、伊東マンショを語る会会長、都於郡城史文化研究会会長
田尻隆介(たじり・りゆうすけ)1948年、宮崎県生まれ。高千穂町文化財保存調査委貞
那賀教史(なか・みちふみ)1946年、宮崎県生まれ。宮崎県民俗学会会員
長津宗重(ながつ・むねしげ)1955年、宮崎県生まれ。宮崎県埋蔵文化財センター調査第一課長
北郷泰道(はんごう・ひろみち)1953年、宮崎県生まれ。宮崎県埋蔵文化財センター所長
矢口裕康(やぐち・ひろやす)1950年、神奈川県生まれ。南九州大学教授
山下真一(やました・しんいち)1964年、宮崎県生まれ。都城島津邸副館長






この本に書かれた内容は、下記 (目次参照)

宮崎県謎解き散歩  目次


はじめに … … 2
宮崎県市町村地図 … … 12
宮崎県「神楽散歩」 … … 13
宮崎県祭りマップ … … 20
宮崎県「グルメ散歩」 … … 26

第1章 宮崎県ってどんなとこ?

県民性───ゆっくり、ゆったり、自然の中で … 永井哲雄 … 30
ランキング───自然と人の協働≠ェ生みだす壮大な世界一・日本一 … 河野悠子 … 34
政治───「地域分断型小藩分立」とは? … 佐藤郁夫 … 39
資源───豊かな自然こそ資源 … 河野 誠 … 42
グルメ・郷土料理───宮崎に来たら、これを食べなきゃ! … 河野悠子 … 45
焼酎───銘柄の多さと地域のひいき … 河野 誠 … 50
有名人───誰もが知っている芸能人・スポーツ選手・文化人 … 河野悠子 … 53
方言───「人」の表現に優れた宮崎弁 … 矢口裕康 … 56
企業───宮崎から世界へ … 河野 誠 … 60

第2章 「ハル」で切り取る宮崎の地誌・歴史編

宮崎の「ハル」とは? … 永井哲雄 … 64
原(ハル)に築かれた日向の古墳群 … 長津宗重 … 67
人少なくして土地多し───明治・大正期の宮崎県の移住案内 … 黒岩正文 … 72
第十三代県知事・有吉忠一の三大開田事業 … 黒岩正文 … 74
原(ハル) に造られた戦時体制下の軍事施設 … 黒岩正文 … 76
川南原に開かれた合衆国の知恵───トロントロンと軽トラ市 … 永井哲雄 … 79

第3章 神話編

なぜ日本神話の舞台が日向なのか? … 北郷泰道 … 84
天地創造の神々は日向の空・山・海に宿る? … 北郷泰道‥89
「日向三代神話」は何を語る? … 北郷泰道 … 92
天・地・海の神々の結婚と神武天皇の誕生 … 北郷泰道 … 95
神武東行(東征) は何を物語る?: … 永井哲雄‥98
美醜に迷う神様の選択とは? … 永井哲雄 … 101
疑いをもつ神様───潔白を示すコノハナサクヤビメ … 永井哲雄 … 104
好奇心をおさえられず、海陸の往来がとぎされた? … 永井哲雄 … 107
水の支配者はだれ? … 永井哲雄 … 110
古代の天皇は日向の女性が好き? … 永井哲雄 … 113
をぜ「日向三代神」の山陵が鹿児島県内にあるの? … 永井哲雄 … 116
木下逸雲が写した逆鉾とは? … 永井哲雄 … 22

第4章 古代・中世の歴史編

古代日向の白亀と今日のアカウミガメの上陸 … 岡本武憲 … 126
薩摩の島津家の発祥地は日向?‥山下真一 … 129
中世の「三高城」はどこにある? … 山下真一 … 132
戦国大名大友氏の衰退をもたらした古戦場は? … 岡本武憲 … 135
戦国大名伊東氏は日向にいつ、どこから来たの? … 岡本武憲 … 138
「伊東四十八城」の中心となる城はどこ? … 岡本武憲 … 140

第5章 近世・近代の歴史編

近世日向の中央街道を「細島街道」と呼ぶのはをぜ? … 清水正恵 … 144
山陰二揆は宮崎の近世をどう変えた? … 清水正恵 … 146
佐土原藩は鹿児島藩の支藩? … 清水正恵 … 149
上杉鷹山の善政は日向国がルーツ!? … 清水正恵 … 152
「於為カゼ」のせい?───駄肥藩主の交代劇 … 河野悠子 … 155
江戸時代の椎葉山・米良山は誰のもの? … 清水正恵‥158
東大寺大仏穀を今も支える日向の大木
 ───奈良までどうやって運んだ? … 清水正恵 … 161
宮崎県の県都はなぜ田圃のなかに造られた? … 佐藤郁夫 … 164
宮崎県が消えた?1鹿児島県への併合と宮崎県再置 … 佐藤郁夫 … 167
鉄道建設は首都から遠い南から? … 佐藤郁夫 … 170
今も現役!昭和七年竣工の県庁舎 … 佐藤郁夫 … 173
昭和恐慌時に行われた緊急失業救済事業とは? … 佐藤郁夫 … 176
昭和金融恐慌「モラトリアム」でも休業しなかった銀行があった! … 永井哲雄 … 179

第6章 人物編

はるかヨーロッパに眼差しを向けた伊東満所 … 竹下 勇 … 184
安井息軒のめざしたものとは? … 伊東 但 … 187
「孤児の父」石井十次の生涯 … 児嶋草次郎 … 190
若山牧水はなぜ旅と酒を愛したか … 伊藤一彦 … 194
日露戦争に決着をつけた小村寿太郎 … 岡本武憲 … 198
脚気論争で森鴎外に対抗し高木兼寛 … 永井哲雄 … 201
瑛九の世界とは? … 高野明広 … 204

第7章 信仰・民俗編

八幡神社はなぜ、宮崎平野に多いのか … 那賀教史 … 208
宮崎県に神楽が多いのはなぜ? … 那賀教史 … 211
霧島信仰はなぜ、宮崎平野において盛んなのか … 那賀教史 … 216
柳田民俗学は日向におこる!
柳田国男と椎葉『後狩詞記』 … 那賀教史 … 220
これは見逃せない!木喰が残した足跡 … 押川周弘 … 223
お食い初めに「ナマズ」? … 九鬼 勉 … 226
「鮎やな」のある風景−内藤充真院の見た延岡 … 清水正恵 … 228
「大人歌舞伎」と「柚木野の浄瑠璃」とは? … 田尻隆介 … 231
山之口の人形浄瑠璃の魅力とは? … 山下真一 … 234
「田の神さあ」のたたずまいとは? … 山下真一 … 237

第8章 自然・災害編

県の南北を区切る耳川流域のなぞ … 永井哲雄 … 242
日本一の照葉樹林 綾ユネスコエコパークって何? … 河野耕三 … 245
消えたけ「外所村」地震の巣・日向灘 … 押川周弘 … 248
昭和の大地震‥えびの直下型地震の「特徴」とは? … 押川周弘 … 250
縄文海進はどこまで進んだ?歴史が示す避難線 … 長津宗重 … 252
新燃岳の名前はいつ付いた? … 押川周弘 … 255
山村の恐怖「山津波」って何? … 押川周弘 … 258
女性の名前の台風のこわさ … 押川周弘 … 260
水を制する「水防組合」の発達はどのようになされたか? … 黒岩正文 … 262
えっ、宮崎で雪害? … 河野悠子 … 264
宮崎の春一番はどこから? … 河野悠子 … 267


「宮崎謎解き散歩」を読んで、気が付いたことなど・・・

 この本(2013年2月14日付・第一版)を読んで気が付いた事などを書きます。(気が付いた時点で追記して行きます。)

■文中 誤り
たまたま(完熟きんかん)48P グルメ・郷土料理───
宮崎に来たら、これを食べなきゃ!より一部引用

前略・・・「完熟フルーツには、マンゴーだけでなく完熟きんかんもある。樹上で完熟させた金柑は、金柑とは思えないほど大きくて甘くなり、生で丸ごと食べることができる。このうち、糖度18度以上で形の大きいものには 「たまたま」というオリジナルブランド名がついている。」・・後略

・・とありますが、「糖度18度以上」は誤りです。

完熟きんかん「たまたま」の糖度基準は、2009年度(平成21年度) 2010年出荷分から糖度16度以上に変更になっております。

・ 糖度16度以上 サイズL(直径28mm)以上 → ブランド名  「たまたま」
・ 糖度18度以上 サイズ2L(直径33mm)以上 → ブランド名 「たまたまエクセレント」と規定しています。
  参考まで、きんかんの直径基準  L 〔28〜33mm〕 2L 〔33〜37mm〕 3L 〔37mm〜〕です。

 → 当サイト内関連ページ 完熟きんかんたまたまもご覧下さい。



■文中 誤り
268P 宮崎の春はいつから より一部引用

前略・・「春を代表する花といえば、やはり桜だろう。桜の名所は数が多く、県内各地にある。
 なかでもおすすめなのが西都市の西都原運動公園で、ここでは他では見られない風景を楽しむことができる。西都原運動公園は、日本最大級の古墳群である西都原古墳群とその周囲の景観を維持保存するために整備された。」・・後略

・・とありますが、「西都原運動公園」は妻高校の近くにある、野球場や陸上競技場等のある「運動公園」ですので、間違いです。ここで言うところの、整備された公園とは「特別史跡公園西都原古墳群」の事かと思います。
ページ下部に書かれた住所も、西都原運動公園の住所なので間違いです。「特別史跡公園西都原古墳群」の住所は、宮崎県西都市大字三宅西都原かと思います。 
西都原古墳群の桜と菜の花
 → 当サイト内関連ページ 西都原古墳群もご覧下さい。春の菜の花と桜秋のコスモスは必見です!

余談ですが・・プロ野球のヤクルトスワローズ(ファームのみ)は毎年、「西都原運動公園」でキャンプを行っております。

■108P 「鵜戸神宮」の写真説明の部分だけ「鵜戸神社」となっているのは誤り、「鵜戸神宮」と思います。

 → 当サイト内関連ページ  鵜戸神宮

■写真の 誤り
宮崎県祭りマップの項目で、えびの市の「牛越え祭り」の写真ですが、ポジをスキャンする際、裏返しにスキャンしているようで菅原神社の位置が、実際とは左右逆のようです。(関係者くらいしか気付かないとは思いますが・・。)
この逆の写真はインターネット上のほかのサイトでも同様に見かけますので、提供側のライブラリ自体が間違っているのではないかと思われます。
→当サイト内 牛越え祭りページ
そういえば、以前読んだ、「鵜戸山」という本でも、裏返しの境内の写真がありました。今は、デジタルカメラの出力したデーターが主流なのでそ、こういいった事は意図的にアプリで入れ替えを行わない限りは発生しないのですが、ポジフィルムのスキャン時代には、結構ある人為ミスなのかも知れません。

 以上の誤りにつきましては、編著者へ連絡済です。次回 改版時には反映されるものと思われます。


■31P 堀切峠のポインセチアですが、一昨年くらいから寒波にやられ、昨年には多くは枯れてしまい、残念ながら、現在はこのような美しい群生を見ることは出来ません。
堀切峠のポインセチアは故岩切翁が提案、フェニックスドライブイン(現在の道の駅フェニックス)周辺に植栽したもの、フェニックスドライブインは宮崎交通から宮崎市が買い取り、現在は「道の駅フェニックス」として、宮崎市が管理していますが、このままポインセチアを絶やしてしまって良いものでしょうか。 近年、気候や海流(暖流)が変わって来たのでしょうか、自然が相手だけにどうしようもないかも知れませんが・・花の寂しい時期に、しかも露地のポインセチアは珍しいので・・残念です。

→ 当サイト内 堀切峠のポインセチア 道の駅フェニックス

■内容からすると、本のタイトルワード「謎解き」というよりは・・・、「物知り」が最適かも知れません。

■文庫本サイズで、結構軽いので、バックに入れ、持ち歩くのも最適です。 

■この種の本は部数が出ないからか、総じて、お値段高めなのですが、千円切る値段は買いやすい、良いです!

時々、取り出しては読んでまして。 気がついたことを追記します。

(5/13追記)
■文中 疑問点 
神話偏 なぜ「日向三代神」の山稜が 鹿児島県内にあるの? の項目中
120Pに「国見ヶ丘から望む高千穂峰の山々。・・・」という写真があります。
写真は、西臼杵郡高千穂町の国見ヶ丘から見た景色。 
高千穂峰」と書くと、霧島の「高千穂峰」と誰しも想像します。「高千穂」の山々とすべきだと思います。

(8/2追記)
■文中 更新した方が良いと思ったこと。
信仰・民族偏 宮崎の神楽が多いのはなぜ? の項目中
13Pおよび、211P 「宮崎県には現在、およそ350ヶ所に神楽が残されている。」とありますが、おそらくこの数字は、10年以上前に発行された(平成12年12月発行)宮崎の神楽―祈りの原質・その伝承と継承 山口 保明 (著)」の数字を参照されたものと思われますが、宮崎県文化財課によると、宮崎の神楽は、平成24年(2012年)時点で、207団体で保存・継承されているとの事です。次回改版時は、「平成**年現在、***」とした方が良いと思います。
 

本の紹介 宮崎県 謎解き散歩 永井哲雄編著




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